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日本霊異記と往生要集と日本のわびさびの精神と21世紀の日本のヒップホップ

最近のヒップホップはいいですね。
すごくやさしい。

昔のような馬鹿騒ぎさが薄らいでいます。

この傾向は、ヌジャベスからですね。

どこかシックで大人しい。
でありながら、深みがあります。

昔の「わびさび」の精神があります。


わたしゃ、日本の「侘(わび)・寂(さび)」は、
「貧しさ」から出てきていると思っています。

貧困を清貧として堪え忍んだ風情にあると思っています。

というのは、やっぱり寂しさがあるんですね。


ただ、単なる寂しさではなく、命の生まれ変わりをも包括した、
輪廻転生への哀愁があるように思うわけです。

「嗚呼、また何処(いずこ)かへ生まれ変わっていくのであろうか」
「なんという長い長い旅であろうか」

こうした輪廻転生への不安と期待が入り交じって、
険悪な昔の時代を生き抜く人達の苦しさが、
「侘(わび)・寂(さび)」の精神にはあるように思います。


事実、平安時代には、既に庶民に仏教が広まり始めています。
輪廻転生の話しも、庶民にも広まります。

仏教説話集である「日本霊異記」も平安時代に作られています。
日本霊異記は、生まれ変わりの話しが多いですからね。




恵心僧都の「往生要集」も、平安時代
地獄や天界への生まれ変わりが、
原始仏典の系統である倶舎論から引用して、
見事なくらいまでに詳細に描いています。





こうした「意識」が、「わびさびの精神」の根底にあると思いますね。

わびさびの精神は、昔の貧しさと、苦しみの多い生活感があるのでしょう。
と同時に、こうした貧しさ、苦しみの多い境遇に生まれてくるのは、
過去世の業によるものとした反省。
そして、来世こそは、天人のようになりたい、といった期待。

仏教説話や輪廻転生への影響が、わびさびの精神には
あると思います。


で、こうした民族的意識は、そう簡単には消えません。
1500年以上も続く意識は、集合的無意識となり、
日本人の意識に共有されていきます。

それは、エネルギーといっていいでしょう。


時代が変わっても、わびさびの精神は、
至る所でみられます。

21世紀になってからの日本のヒップホップにも、みられます。
ヌジャベスは、まさに、「わびさび」のヒップホップ。

Nujabes - Aruarian Dance

なんとも切なくも悲しい響き。
しかし、その表層的な悲しさの向こうに、
命が生まれ変わる真理をも見据えた
深遠なるフィーリングを感じるのは気のせいだろうか。


と、勝手なことを書いていますが^^;
最近のヒップホップには、古(いにしえ)の精神である
「わびさび」があるように思いますね。