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水の戯れ(ラヴェル)

水の戯れ(ラヴェル)Jeux d'eau (Ravel)


「水の戯れ」。
ラヴェルの作品ですね。

ペンタトニック(ヨナ抜き)の旋律をふんだんに使用し、
東洋的な響きになっています。
一聴すると、ドビュッシーのように聞こえるかもしれません。

ところが、「水の戯れ」は、ドビュッシー印象派的な手法に
先駆けて登場した作品だったりします。
1901年の作品。

一方、ドビュッシーの「版画」は1903年。
「映像第1集」は1905年に発表されています。

「水の戯れ」のほうが先なんですね。

しかし響きそのものは、
ドビュッシーの「塔(パゴダ)」、「金色の魚」に聞こえるような和音です。


で、「水の戯れ」は清流って感じです。
きよらかな水。

しかし、蒸留水のように清潔感がありすぎて、
どこかもろくも壊れそうな危うさを感じさせます。

「きよらか」というよりも「潔癖症」。

事実、ラヴェル潔癖症
潔癖症が過ぎて、女性に触れることもできなかったといいます。
神経症ですね。




ラヴェルの作品には、神経症的な潔癖さが出ているのがあったりします。
それが、天界的なきよらかさと、紙一重なところがあったりします。

表現を変えれば、あまりにも天界的でピュアなため、
天界に住む妖精のようだったりします。

か弱いほど繊細でピュアな妖精。
人間界の荒々しい波動にはヤラれてしまう。
そのように解釈もできますね。

ラヴェルの作品は、そういう意味での天界的なエッセンスが濃厚だったりします。
人間界の荒い波動の中では、もろくも壊れてしまいそうなほど
美しくも繊細なエッセンスがあったりします。
天界だけに住む妖精の唄。


けれども、一方では、まさに天界的な高揚感のある作りをした作品もあります。
たとえば「クープランの墓」。

實川風/ラヴェル Ravel:「クープランの墓」より"プレリュード"


その高揚は、まさに天界。

ピアノの演奏よりも、オーケストラになりますと、
その絢爛豪華でピュアな響きが、よくわかります。

Pierre Boulez - Ravel - Le Tombeau de Couperin


爽やかに駆け抜ける風であるかのようです。
羽根が宙を舞うかのように「ふわっ」とする体感は、
体重が5%減るかのようです^^;

クープランの墓は、あんまり知られていませんが、
知られざる名曲だったりします。

いい塩梅なんですね^^

でも、おそらく、「水の戯れ」のほうが
知られているんじゃないかと思います。